（小説）黄色い雨合羽 麗子篇

現在複数のオリジナルを書いているのですがその中で本シリーズの麗子篇も執筆中。

「黄色いレインコート（仮）」

モチーフとテーマは同じですが登場人物と内容は全く異なる感じです。

当分アップ予定はありませんが、ある程度たまったら公開しようかなーと思っております。

ご興味がありましたらいずれ。






プロローグ



僕のクラスにはシカコとアダ名される女生徒がいる。校内でも有名人だ。

名前は麗子。痩身で長身。モデルでもやっているかのようだ。

顔はよく見えないけど凄い美人らしい。

そんな恵まれた外観なのに・・・。

髪は長髪で手入れをせずボサボサ。枝毛ワッショイ。

表情は無く能面のよう。

制服は着っぱなし。

授業中は爆睡。

成績はダントツの最下位。

クラスメイトとの交流はゼロ。

身体が弱いのかよく学校を休む。



そんな彼女だけれども一際輝く日がある。

雨の日だ。

彼女は決まって同じ格好をしてくる。

黄色い雨傘、

黄色いレインコート、

そして黄色い長靴。

どこへ向うのか授業が終わると脱兎のごとく学校を出て行く。

普段の彼女からは想像も出来ない敏捷さで。

誰かに会いに行くのだろうか？

彼氏？

あんな格好で？

それとも援助交際・・・？

まさか・・・。

富高最大の謎。



ある日、



通りかかった幼稚園の前で偶然彼女を見初める。

静かに降りしきる雨の中、

誰かを待っているかのようなあの子を見た時、

その美しさに息を飲んだ。

鳥肌が立っている自分にも気づかないほどに。

その日から彼女の事が頭から離れなくなった。



概要



相反する環境で育った男女が偶然から意思を通わせることになる。

友達というには危うい、他人というには近い関係。

社会常識と個人感情の間で揺れる主人公と、自らの価値基準を貫き通すヒロイン。

社会との接点をもたせようと奮闘する彼に対し一切の接点を拒む彼女。

しかし彼の誠意が鋼鉄のような彼女の心を次第に融解させていく。

周囲はそれを受け入れようとせず彼女から引き離そうとする。

二人の関係に変化が表われ始めた時、

麗子の待ち人が現れる。

彼女は何故黄色いレインコートを着始めたのか、

二人の関係はどうなるのか、

彼女の待ち人とは。

黄色い雨合羽　麗子篇、黄色いレインコート。